小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te代表理事
湯浅正太
子どもの「生きる」を考える

不登校にもつながる病気 起立性調節障害 前半

2021/12/19

記事【不登校にもつながる病気 起立性調節障害 前半】

絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。今回は、不登校の子どもも抱えることが多い「起立性調節障害」について、お話ししたいと思います。

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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる

はじめに

小児科医として学校の先生とお話ししていると、その先生方から「『起立性調節障害』って診断されている子どもをよく見かけるのですけど、一体あれは何ですか?」と質問を受けることも少なくありません。今回は、そんな「起立性調節障害」がどんなものなのかについてお話しします。

子どもの体は思春期になると、体の様々な部分が急激な変化します。その変化に伴って、様々な症状を訴えることもありますが、それは身体が成長するという点から見ると正常な反応なのです。

通常は、思春期に体の急激な変化があってもうまく生活できるように、体内で自動的にバランスを調整しながら成長していきます。そうやって、目立った症状はなく成長できるようになっています。

でも中には、この身体の急激な変化に対して、自律神経のバランス調整が追いつかずに、症状が出てしまう子どもがいます。しかも、心理的なストレスなども、自律神経の調整に大きく影響します。

そうやって、自律神経の調整がうまくいかずに、立った時にめまいや失神、動悸を起こす病気を「起立性調節障害」と言います。特に午前中に症状が強く現れて、中学生という思春期の子どもに多いのが特徴です。

冒頭で触れたように、朝なかなか起きられなくて、不登校につながることもあります。実際に、不登校の子どもの多くに、この起立性調節障害という病名がついていることが珍しくありません。別名で「OD(Orthostatic Dysregulation)」と言ったりします。

どんなメカニズム?

自律神経は身体の様々な機能の調整を司っています。その働きの一つが、体内の血液の分布を一定に保つ働きです。

起立性調節障害では、自律神経の調整がうまくいかず、体内の血液の分布を一定に保てなくなってしまうと言われています。

そのため、血圧がうまく維持できずに、頭から血液がサーと引きやすい状態にもなりうるのです。しかも、生活でのストレスが過剰にあると、いっそう自律神経の調整を悪化させるため、症状も重くなります。

どんな症状があるの?

・身体がだるい

・朝起きられない

・食欲がない

・立ち上がった時に、めまいや失神がおこる

・心臓がドキドキする

・息切れがする

・顔色が悪い

こんな症状が表れます。

そして特徴は、午前中に症状が強く出ることが多いということです。昼を過ぎて午後になると、症状は軽減もしくは消失していくのも特徴です。午後や夕方以降は体調が良いため、昼夜逆転の生活になってしまうこともあります。

そして、学校生活などでの精神的なストレスにより症状が悪くなることがあるのです。そういった症状が続き、次第に不登校につながるケースも少なくありません。

今回はここまでです。不登校にも関連することが少なくない「起立性調節障害」。今回は、その「起立性調節障害」がどんなものかについて触れました。次回は、その対応についてお話ししたいと思います。

記事のポイント!

  • 起立性調節障害は、よくある病気
  • 起立性調節障害は、自律神経の調整がうまくいかなくなる病気
  • 起立性調節障害は、体内の血液の分布を一定に保てなくなってしまう

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