小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te代表理事
湯浅正太
子どもの「生きる」を考える

子どもにとって大切なイヤイヤ期

2021/12/16

記事【子どもにとって大切なイヤイヤ期】

絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。今回は、イヤイヤ期をどのように捉え、どう対応するか、についてお話ししたいと思います。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる

イヤイヤ期

みなさん、イヤイヤ期という言葉を聞いたことがありますか。2歳ごろになると、いろいろな物事に対して、「イヤイヤ」と自己主張するようになります。専門用語では、第一次反抗期と言います。

他人と自分は違うんだという意識がはっきりしてきて、自我が芽生える大切な時期です。これまで頼っていた親から離れて、自分を見つける大切な時期です。身の回りのことを自分でやるようになり、身辺自立が進むなんて言ったりします。

そういったこの時期には、「自分でやりたい!」という意志が強く現れます。自分でやりたいことを制止されると、「イヤイヤ」と自己主張するようになるのです。

芽をつぶさない

このイヤイヤ期をどう捉えるか。子どもが「イヤイヤ」とわがままを言って親に従わない時期、と捉えてしまうのか。あるいは、子どもが順調に発達している過程、と捉えるか。この捉え方と、その対応の違いで、その後の子どもの発達が大きく変わってゆきます。

そういった視点から最も大事なことは、せっかく現れたこの第一次反抗期の芽をつぶさない、ということです。

「ダメ!」という言葉

子どもにとって大切な第一次反抗期。何に対しても「イヤイヤ」と反抗する子どもの主張を、「ダメ!」と抑えつけようとする親御さんがいます。中には、あれもダメ!、これもダメ!、と「ダメ!」を連発して、子どもを制御しようとする親御さんを見かけます。

子どもが、他者と違う自分を意識できるようになり、ようやく自己主張をしてくれるなったんです。そんな大事な発達のステージで、その自己主張を「ダメ!」と注意ばかりされたら、どうなるでしょう。

どんな子どもも、ママやパパにほめてもらいたいと願うものです。子どもの行動が「ダメ!」と注意され続けることで、子どもはママやパパに嫌われないように、自己主張をやめてしまいます。

親から子どもへの「ダメ!」という言葉は、自己主張をしてはいけないという親から子どもへのサインになってしまうのです。

子どもに生じる問題

そうやって子どもが自己主張してはいけないと学習してしまうことで、子どもの生活に支障が出てきます。生活における様々な物事をこなす中で、何事にも不安を感じてしまう。そんな生きづらさが生じることがあります。

あるいは、その時期には何も問題がないかのように過ごしていても、そのツケが少しずつ現れてきます。子どもが自分の感情を内に溜めこみ、不安などの感情をうまくコントロールできなくなってしまう事もあるのです。

小児科医としての経験からは、自己主張を否定され続けている子どもは、幼い時期から何らかの生きづらさを生じています。親御さんとお話すると、何も問題なく過ごせていますと教えていただくことがあります。でもそれは、親御さんが子どもの生きづらさに気づけていないだけのことが多いのです。

安全と冒険

子どもの成長を考えた時、子どもには安全さえあればよいかというと、そういうわけにはいきません。社会でうまく生活してゆくには、そのためのスキルや知識の獲得が必要です。そういったものを身につけるためには、子どもの頃に、多少の危険は冒しながらも、様々な物事を経験する必要があります。例えば遊びは、そのうちの一つです。

つまり、子どもの成長のためには、安全と探索という2つの物事が必要なのです。探索という言葉は馴染みがないため、ここでは冒険と言い換えましょう。子どもが冒険をしながらも、危険を感じたら、すぐに親が子どもの安全を確保してあげる。そういった関係が大切です。

「イヤイヤ」と自己主張する子どもに対して、その子の発達を感じながら、少し冒険をさせてあげること。自己主張を否定するのではなく、「冒険してらっしゃい。でも、危険があったら、いつでも戻っていらっしゃい。」そういった親の心構えが、子どもの心の発達にとって、とっても大切なのです。

記事のポイント!

  • イヤイヤ期は発達の大事な過程
  • 子どもの主張の芽をつぶさない
  • 安全と冒険が大切

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