小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te代表理事
湯浅正太
子どもの「生きる」を考える

愛着〜子育てを後悔しないために知っておきたい真実〜

2021/12/14

記事【愛着〜子育てを後悔しないために知っておきたい真実〜】

絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。今回は、子どもの心を育てる上で欠かせない、愛着という言葉についてお話ししたいと思います。

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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる

子どもの立場から

みなさん、愛という言葉をご存知と思います。それは、ある物に対して、かわいい、大切にしたいと思う心です。子どもの心を育てる上で、欠かせないものです。この愛に関連したものとして、愛着という言葉があります。

愛着とは、簡単に説明すると、子どもが困った状況になった時に、親に助けを求めようとする性質や傾向のことです。子どもが、危険、恐怖、不安などを感じた時に、養育者である親との心の距離を維持したり縮めようとする性質や傾向のことです。

ただ、性質や傾向と言うとわかりにくいため、子どもが求める親との絆(きずな)と理解ください。子どもは心が不安定な状況になると、(愛着対象である)親との絆(きずな)を求めて、その不安定な心を落ち着かせようとするのです。そうやって、子どもは、一つひとつの物事を克服し経験に変えていきます。

子どもは困ったら、親に助けを求め、親との絆を確かめようとするということです。

親の立場から

問題は、親との絆を確かめようとしてきた子どもに対して、親がどのように反応できるかです。ここからは、子どもに対する親の関わりについて触れてゆきたいと思います。

子どもに不安が生じたら、子どもは親との絆を確かめようとしてきます。そういった子どもに対して、すぐに応えられる親の関わりがよいことは言うまでもありません。

「どうしたの?」、「大丈夫よ」。そうやって、子どもの様子に反応して、そっと子どもを受け止めてあげることが、のちのち、ものすごい効果を生み出します。

でもそうではなくて、子どもの求めに応えられない、親の問題が存在することがあります。

例えば、

親が、離婚や死別などでいなくなってしまう

親が、その子どもに力や言葉の暴力で恐怖を与えてしまう

親が、その子どもに無関心である

このような親の問題があることで、親子でつくるべき愛着という絆が、作れなくなってしまうのです。

子どもに生じる問題

子どもが親と愛着という絆を築けないという問題は、単なるそれだけの問題にとどまりません。他にも問題を生じてくるのです。

本来、愛着という絆を十分に経験できた子どもには、親は困った時に自分を助けてくれるという親への期待が備わります。そして、自分は助けられるに値する人間であるという、子ども自身に対する評価も生まれるのです。そうやって自分自身の存在意義を確かめられるようになります。

しかし逆に、愛着という絆を経験できなかった場合には、親への期待がもてなくなり、他人に信頼感をもちながら関わることができなくなってしまいます。そして、助けを求めても、助けてもらえない自分自身への評価も低くなってしまうのです。

そうやって、その子ども自身が悪いわけではないのに、その子ども自身が傷ついていくのです。

親の問題が、いつしか子どもの問題へとすり替わる

そして子どもにとって、そういった問題が、子どもの他者との関わりに大きく影響してきます。人と打ち解けずに無口であったり、過度に馴れ馴れしかったり。そういった、他者との関わりの問題が現れるのです。

大人になり、人とうまく関わることができなければ、社会人として苦労するのは目に見えています。しかも、うまく社会生活を送れないことを非難されるのは、誰でしょう。その人本人です。

本当はその人自身ではなく、子どもの頃の親の関わりにこそ問題があったのです。その人自身にはどうしようもなかった、幼少期の親の関わりの問題です。しかしその問題が、いつしかその人自身の問題にすり替わってしまう。あたかもその人自身が悪いかのように、その人の問題になってしまう。そういった現実があります。

だからこそ、大事な子どもの今

この愛着の問題を、後から取り戻そうとしても難しい。だからこそ、子どもの今の時期が大切なのです。

子どもが困り親との絆を確かめようとする時に、上手に助けを求めることは難しいかもしれません。怒りや焦りといった感情で、困った気持ちを表現するかもしれません。

そんな子どもとの愛着という絆を大事にするために必要なこと。それは、子どもに関わろうとする姿勢です。

親が子どもに関わろうとする姿勢をもつことで、子どもの変化に気づくようになるものです。日々のちょっとした関わりが、後々に大きな成果となって現れます。

今回は、愛着についてお話ししました。後からは取り戻すことが難しい愛着という絆。子育てを後悔しないために、ぜひ子どもへ関わろうとしてみてください。

子どもにとって、やはり親は特別な存在なのです。

記事のポイント!

  • 親の関わりの問題が、子どもの問題として現れる
  • 後から取り戻すことが難しい、愛着の絆
  • 解決の鍵は、子どもに関わろうとする姿勢

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