子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

入園や入学の時期に大切にしたいこと

2023/03/22

記事【入園や入学の時期に大切にしたいこと】

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【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

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こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。

もう少しで4月になりますね。4月になると新しい環境で過ごす子供たちが増えます。新しい保育園だったり幼稚園だったり、あるいは小学校だったり、そんな新しい環境で生活する子どもたちはやっぱり不安やストレスを抱えるわけです。

不安やストレスを抱えると、子ども達はどうなると思いますか。例えば、朝、登園する時、登校する時にぐずる様になる。あるいは、夜、夜泣きが増えるとか、おねしょが増えるとか。そうやって、外の生活で抱えた不安だったりストレスがあると、子ども達の行動が変わるわけですね。

ですからこの4月以降に、よく親御さんから受けるコメントやご質問には、「子ども達が朝になるとぐずることが多くなったんです」とか、「おねしょが多くなったんです」とか、「夜泣きが多くなったんです」とか、そんなコメントを頂く事が多くなります。

この時期になるとやっぱりそういう子どもたちが増えるので、「この時期はそういうものなんですよね」っていうことを親御さん達にはお話するわけです。

では、例えば、そういう「朝方になるとぐずることが多くなる、もしくは、夜泣きが多くなる、そういう子ども達」に対して何をしてあげるのがいいのか。そんなお話をしたいと思います。

子ども達がぐずったり夜泣きが増える。その背景には、外の生活で抱えるストレスが増えることが原因としてあるわけです。その抱えたストレスをどうやって解消するかと言うと、やはり家庭の中で親御さんとの関わりの中で解消していくわけなんです。

ですから、もしお子さんが新しい環境で生活するにあたって家庭で何かできることがあるかと言うと、それは「家庭の中で親から子供への関わりをちょっと増やしてもらいたい」ということですね。

その関わりを具体的に言うと、例えばちょっと手を触れてあげるとか、ちょっと手を繋いであげる、あるいは会話を増やしてあげるとか、あとはぎゅっと抱きしめてあげるとか。そういった親から子どもへの関わりを、あえて増やしてあげる。そういう関わりをすることで、子どもたちの心の中に親の存在が大きくインプットされるわけです。

そうすると新しい環境、例えば新しい保育園、幼稚園、学校に行った時に心の中に親御さんがいて、そういう親御さんがいるからこそ新しい物事にチャレンジできるんですね。不安やストレスが生まれても、それが解消しやすくなる。そういうわけです。

ですので、この新しい新学期を迎えるような時期には「家庭の中で親から子どもへの関わりをちょっとあえて増やしてもらいたいな」なんてことを親御さんによくご説明します。

夜泣きなんかもそうですけれど、新しい物事だったり、そういうストレスや不安を抱えやすい出来事が日中にあると、夜泣きの回数だとか、おねしょの回数が増えることが一時的にあります。それは決して珍しいことではなくて、よくあることです。

なので、お薬なんかで改善させるというよりも、やっぱり最も大事なことは、日中の親から子どもへの関わりを増やしてあげる、工夫してあげる、そういったことが大事なんですね。

小児科医として目にする光景として、家庭の中で親から子どもへの関わりがちょっと足りないだろうなという子どもは、新しい環境でいると、部屋の中の隅っこでちっちゃく固まってたりするわけですね。先生たちとなかなか馴染むことができなくて、ずっと部屋の隅っこに行ってじっとしてる。そんな子どもたちがいます。

そういった子どもたちも、家庭の中で親から子どもへの関わりをちょっと増やしてあげるだけで、日中のそういう行動が変わって、先生たちと楽しく生活できるようになることも少なくありません。

ですから、どれほど親から子どもへの関わりの工夫が大切かっていうのは、知っていただきたいと思います。

あともう一つ付け加えるとしたら、新入園を迎える子どもたちは、これから風邪をひいてはやんで、ひいてはやんでを繰り返すわけですね。そういった風邪をひいてやんでを繰り返してると、よく親御さんから受けるご質問に「なかなかこの子の体重が増えなくなったんです」、そんなコメントをいただくことがあります。

風邪を何度もひくと、なかなか体重が増えなくなるんですね。ですから、これから保育園や幼稚園に入園する子どもたちは、その一年間はやっぱり風邪をひいてはやんで、ひいてはやんでをくり返して、なかなか体重が増えない。そんなことを経験することがよくあります。それはそういうものという見通しを持って関わっていただけたらな、なんて思うんですね。

この時期の親御さんのロールモデルになる親御さんといえば、そういった見通しをもった子どもへの関わりができる親御さんなのかな、なんて思います。

今日は、「入園や入学の時期に大切にしたいこと」というテーマでお話ししました。

だいじょうぶ、

まあ、なんとかなりますよ。

湯浅正太(小児科医、Yukuri-te代表 https://yukurite.jp/

湯浅正太(ゆあさしょうた)

PROFILE
2007年 3月 高知大学医学部 卒業。小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。

一般社団法人 Yukuri-te(ゆくりて)

『みんなとおなじくできないよ』

障がいのある「おとうと」がいる小学生の「ボク」。おとうとのことを好きだけど、ちょっと恥ずかしく、心配にも感じている。複雑な感情と懸命に向き合って「ボク」がたどり着いた答えとは?「きょうだい児」ならではの悩みや不安、孤独な気持ちが当事者の視点から描かれた絵本。湯浅正太著/1760 円(日本図書センター)

『みんなとおなじくできないよ』

診察する, 治療する, 命と向き合う, …医師として働くとはどういうことか, 患者さんにどう接するか, “正解”はなくとも「考えて答えを出していかねばならない」倫理的なテーマについて医学生/研修医に向けて解説。小児科医であり絵本作家でもある著者が, 医療現場のエピソードに沿った「物語」を提供し, 読者に考えてもらいながら倫理観を育んでいく。「明日からの診療に役立つ一言」も記載し, 躓いたとき, 迷ったときに心の支えとなる書籍。湯浅正太著/2420 円(メジカルビュー社)

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