子どもの「生きる」を考える
子どもの「生きる」を考える
小児科医・作家
一般社団法人Yukuri-te
代表理事 
湯浅正太
みんなとおなじくできないよ

小さく生まれてきた赤ちゃんのために

2023/02/08

記事【小さく生まれてきた赤ちゃんのために】

このブログ記事の内容は、Voicyでも配信しています。

【この記事の執筆者(湯浅正太)の自己紹介】小児科医(小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医)&作家。病気や障がいのある子どもの兄弟姉妹(以下、きょうだい)を支援するための絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者。自身もきょうだいとして育ち、小児科医として働くかたわら、子どもの心を育てる一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて)を設立し活動している。詳しくは、法人ホームページをご覧ください。絵本「みんなとおなじくできないよ」を Amazonで見てみる書籍「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」を Amazonで見てみる

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「小児科医 湯浅正太 の診察室」、今日は 「小さく生まれてきた赤ちゃんのために」というテーマで、「hiwa hiwa ちば」の今本いずみ(イマモト・イズミ)さんがゲストです。

今本さんは2021年6月に「hiwa hiwa ちば」のサークルを立ち上げられました。そして現在リトルベビーハンドブックというものを千葉県に導入するために活動されています。

現在そうした活動に当たっている今本さんに、小児科医 湯浅正太が聞きます。

1)支援の現場から

※以下、敬称略

湯浅:

今本さんは「hiwa hiwa ちば」の代表を務めていらっしゃいますが、「hiwa hiwa ちば」はどのような活動をされているのですか?

今本:

はい。ご紹介ありがとうございます。

千葉県で小さく生まれた赤ちゃんと、そのご家族の為の

当事者団体サークル hiwahiwaちばの代表 いまもといずみです。

私自身も四年前、妊娠7か月の24週で三人目を出産し、小さな赤ちゃんのママになったひとりです。兼ねてからこの経験を何かに役立てたらと感じ、一昨年2021年6月に当事者団体サークル『hiwahiwaちば』を立ち上げました。

ちなみに、hiwahiwaという言葉はハワイ語で『タカラモノ』という意味です。

現在の活動内容としては、数か月に一回オンライン交流会を開催しています。

同じ境遇のママ同士が想いを共有できたり、情報交換できる場となるように、生まれて間もないまだお子さんが入院中のママから、小学生に成長されたお子さんのママまで、お子さんの年齢関係なくご参加いただいています。

そして、サークルを立ち上げたきっかけのひとつ、小さく生まれた赤ちゃんのための『リトルベビーハンドブック』を 千葉県にも導入してもらいたく、この二年半 様々なかたちで県庁へ声を届けてきました。

『リトルベビーハンドブック』とは、小さく生まれた赤ちゃんの成長記録や ママやご家族の心のケアを目的とした母子手帳のサブブックです。

母子手帳では記入できない項目、たとえば発達曲線グラフの体重は1kg、身長は40cmからですが、リトルベビーハンドブックでは体重の目盛りが0からになっています。

成長記録の「はい」「いいえ」で答えるところでは 「いいえ」が続いてしまい

母子手帳から目をそむけたくなった、母子手帳を開くのが辛かった…

というママの声も多く、月齢からみた成長記録というより、その子それぞれの成長に沿って記録ができる内容になります。

そして、思い描いていた妊娠・出産とは違って 突然の出産

小さく生まれた赤ちゃんのママになることは誰も想像していません。

そんなママへ 『大丈夫、ひとりじゃないよ』 という想いが伝わるように

先輩ママからのメッセージや、困った時の相談先など

ママの気持ちに寄り添った内容になります。

2)小さく生まれてきてくれた子どもをもつ親御さんが感じる、誕生した後のこと

湯浅:

今本さんが現在の活動をされて、未熟児として誕生した子どもや、その親御さんはどのようなことを感じながら生活されているのでしょうか。

今本:

小さく生まれた赤ちゃんのほとんどが、予定日よりも早く生まれています。

そのため、誕生日も予定日より数か月早くなってしまったり、中には学年がひとつ上に上がってしまう子もいます。

体が未熟なまま生まれてきたことで成長が少しゆっくりだったり、サポートが必要な子もいます。

そうしたことから小さく生まれた赤ちゃんの子育てには常に成長発達への不安や心配が少なくはありません。

オンライン交流会でも、お子さんの成長発達への不安を感じられているママも多く、保育園や幼稚園へ通わせるタイミングや、成長がゆっくりな子は集団行動にうまくなじめるだろうか、など悩みを抱える親御さんも少なくはありません。

未就学児のお子さんの成長発達を促すため、市町村によっては発達センターや療育などの支援んがあります。ただそういった情報は自ら探さなくてはたどり着けなかったり、地域ごとにサポート体制も様々です。

また、これは千葉県に関わらず全国のサークルアンケート調査からも、保健師さんや市町村の子育て支援に携わる方のほとんどが小さく生まれた赤ちゃんの知識が少ないという点があります。

NICU退院後から例えば就学児前まで、お子さんの成長発達という面ももちろんですが、不安や心配が多い子育てをしている小さく生まれた赤ちゃんのママの『心』のサポートとしても、今後より充実していくといいなと実感しています。

3)どうしてリトルベビーハンドブックの普及活動を始めたのか

湯浅:

リトルベビーブックの普及活動を始めたのはどうしてですか?

今本:

私自身、リトルベビーハンドブックの存在を知ったのが一昨年2021年の春頃でした。

とある県の小さく生まれた赤ちゃんのママがSNSにアップしていた投稿で、リトルベビーハンドブックを導入してもらうため当事者団体サークルが声を上げたことろ、県が導入を検討してくれ、作成に至ったという内容でした。

すぐにリトルベビーハンドブックのことを調べ、まず住まいのある市町村、そして県庁へ、千葉県のリトルベビーハンドブックがあるのか?ないなら今後作成予定があるのかどうかを確認しましたが、現状作成予定がないことがわかり、それなら当事者のわたしが声をあげてみよう!そんな思い切った行動からスタートしました。

同時に、小さく生まれた赤ちゃんのママになったわたしに出来ること、この経験を何か役立てたら…そう兼ねてから感じていたこともあり当事者団体サークルを立ち上げたきっかけでもあります。

現在hiwahiwaちばは運営代表のわたしと、サポートのママと二人で運営しています。

サークルの活動はメンバー制ではなく、その都度メンバーを募るという形で、オンライン交流会や今後対面での交流会を検討しています。

わたし達は皆さんと同じように子育て中のいちママで、日中は仕事をしながら、サークル運営をしているため、思うように活動できなかったり、探り探りの活動ではありますが、『同じ境遇のママだからこそ話せる、共感できる場所』 として、ゆっくりペースではありますが今後も活動を続けていきたいと思っています。

なお、Hiwahiwaちばのオンライン交流会開催や活動内容は、Instagram『hiwahiwaちば』と検索いただくとご覧いただけます。

湯浅:どうもありがとうございました。本日のゲストは、「hiwa hiwa ちば」の今本いずみさんでした。

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